「道具を見つめ直すことから始まる」 POSTALCO共同創業者 マイク・エーブルソンさんインタビュー
東京を拠点に、ステーショナリーからバッグ、アパレルまで、日常に寄り添う美しい道具を生み出し続けているデザインスタジオ「POSTALCO」。
その共同創業者であるマイク・エーブルソンさんは、20年以上にわたり、Riccar(リッカー)ミシンを使い続けてきました。
今回は、マイクさんに「ものづくりとの出会い」「Riccarミシンの魅力」「クラフトへのこだわり」について伺いました。

1. 自己紹介とハンドメイドとの出会い

Q. まずは自己紹介と、ハンドメイドとの関わりについて教えてください。
私はマイク・エーブルソンと申します。POSTALCOというデザインスタジオの共同創業者で、東京を拠点に、日々の暮らしに寄り添うシンプルで思慮深い道具やプロダクトを制作しています。
私がハンドメイドに惹かれたきっかけは「道具」そのものへの興味でした。日常にあるものを新しい視点で見つめ、機能を再解釈し、伝統と革新のあいだを探る――そんなプロセスが私のスタイルを形づけています。
2. Riccarミシンとの出会い
Q. Riccarミシンとの出会いは?
私が使っているリッカーミシンは、アメリカ・ロサンゼルスで友人が道端で見つけてくれた年代物のビンテージなミシンです。私は当時デザインスクールに通っており、そのミシンを譲り受けて修理し、以来20年以上にわたって様々なプロジェクトで使い愛用し続けています。

3. Riccarミシンの魅力
Q. Riccarミシンのどんなところに魅力を感じますか?
そのミシンは、ほぼすべてが金属製で構成されており、今でも美しい縫い目を保ち続けています。最新のコンピューターミシンのような多彩な模様はありませんが、現役で十分に使えます。スタジオに置いてあるだけでも存在感があり、クラシックな雰囲気がとても気に入っています。
4. クラフトへのこだわり
Q. ご自身のプロダクトづくりにおいて大切にしていることは?
私が一番大切にしているのは「長く愛されるものを作ること」です。
時間とともに味わいが増す“道具”を目指し、素材選びに徹底的にこだわっています。毎日使いたくなる手触りの良さ、耐久性、そしてシンプルさを損なわない機能的なデザインを常に追求しています。
Riccarミシンで印象に残っているのは、レザーやファブリックを使った試作です。それらはPOSTALCOの財布、バッグ、アパレルといったコレクションへとつながっていきました。
5. 現在の活動と発表の場
Q. POSTALCOの活動について教えてください。
私たちのプロダクトは、東京駅近くの京橋にある直営店やセレクトショップ、公式オンラインショップ、そして国内外の展示会などで発表・販売しています。こうした場を通じて、プロダクトに込めたストーリーやこだわりを、実際に体験していただけるよう心がけています。
■ ニードルパンチミシンについて
Q.マイクさんにはリッカーのニードルパンチミシンも使ってみて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
「とても面白いツールだと感じています。これからいろいろな素材で試してみたいと思います。リッカーミシンが築いてきた歴史の中で培われた“クラシックな要素”が、デザインにもう少し残っていても良いかもしれません。モーターの動きはとても安定しており、それが針の心地よい動きにつながっているように思います。」
■ 展示情報
銀座「ATELIER MUJI GINZA」にて、POSTALCOの大規模展示
『Paper Trail ― すべては未来のためのプロダクトタイプ』 が開催されました
(会期:2025年9月5日〜11月24日)
小さなノートから始まったPOSTALCOの25年間のものづくりの進化を、1本の長い紙で表現した展示です。試作の思考プロセスそのものを体験できる内容になっています。

©️ATELIER MUJI GINZA
■ 新刊情報
このたび出版された新刊
『Viewpoint in the Fog(霧の中の展望台)』
(エーブルソン友理氏との共著)
POSTALCOの25年にわたる創作の歩み、デザイン哲学、インスピレーションの源をまとめた一冊です。日本語と英語のバイリンガル仕様で、国内外のクリエイターにも刺激を与える内容となっています。

■ 編集後記
20年以上にわたってRiccarミシンを使い続け、そこから得た気づきをPOSTALCOのものづくりへと昇華させてきたマイク・エーブルソンさん。
「長く愛される道具を作る」という哲学は、リッカーミシンの歴史とも深く響き合っています。
そんなマイクさんが、長年にわたりリッカーミシンをご愛用くださっていることを、私たちはとても嬉しく、そして誇りに思います。






